洋上風力発電の利用について星野社長に質問

「洋上風力発電に興味がある」
「原子力発電は危険なので反対している」
「再生可能エネルギーについて詳しく知りたい」

洋上風力発電とは、海の上に風力発電施設を設けることを指します。
別に風力発電だけには限りませんが、発電所は基本的には陸上にあるもので、それをあえて洋上に設けるからにはそれだけのメリットがなければなりません。
一方で、風力発電そのものにも、他の発電方法にはないメリットがあるとInflux星野敦氏も強調しています。
特に昨今では資源問題というか地球環境のことを避けて通ることはできません。
火力発電は代表的な電気を生みだす方法ですが、その燃料に石油や石炭を使います。
これらは化石燃料と呼ばれ、埋蔵量に限度があると思われる点の他、燃焼すると二酸化炭素が発生して地球温暖化の原因にもなります。

【参照】Influx 星野敦

原子力発電は事故が発生すると災害の規模が非常に大きくなる

原子力発電は資源量とか二酸化炭素の点では有利かもしれませんが、ひとたび事故が発生すると災害の規模が非常に大きくなることはもう明らかです。
このような理由から、二酸化炭素を排出したりせず持続可能な自然エネルギーの利用が大きく注目されており、風力を利用することもその一つですし、昔からある水力発電とか最近では太陽光発電も脚光を浴びています。
同様に自然エネルギーによる発電には例えば太陽熱や地熱なども考えられているところです。
これらはどれが明らかに優れているとか劣っているというようなものではなく、その地域の事情にもよりますし技術発展によって効率がアップするようなことも考えられますから、切磋琢磨していくべきものかもしれません。
例えば水力発電は確かに発電時に二酸化炭素は出しませんが、ダムを造ったりすることは必要であり、それは環境破壊につながると指摘されることもあります。
太陽光発電とか太陽熱発電はあまり環境破壊だと言われることはないかもしれませんが、太陽が出ている日中しか発電できません。
日中であっても曇りや雨の日には極端に効率が落ちることになります。
せっかく大規模な設備投資をしても、24時間のうち半分は遊ばせているようなものということもできます。

陸上と洋上とでは風の強さが異なる

風力発電は風の力で風車を回して電気を起こすもので、もちろん二酸化炭素を排出することはありませんし資源量も事実上無尽蔵ということができます。
この点では他の自然エネルギーと同じく有望ということができるわけです。
ただし同じような場所であっても、陸上と洋上とでは風の強さが異なります。
陸上はビルなどの人工物はマクロ的に見れば無視できる程度かもしれませんが、山や丘などがあるとそこで風はさえぎられ、そこで弱くなってしまいます。
陸上で最も強い風が吹くのは山の稜線だったりしますが、これは地理的にみて周辺に風をさえぎるものが一切存在しないからです。
洋上もこれと同じ理由で、周りは全て海なのですから風が弱まることなく、最も効率的に電気を生み出せることになります。

海の上に人工物を設けると船の航行に支障が生じるかもしれない

ただし洋上風力発電にもデメリットというか、考慮しておかなければならない要素は存在します。
素人的な考えかもしれませんが、海の上に人工物を設けると船の航行に支障が生じるかもしれません。
漁師など海に生活がかかっている人にとってはどうでも良い問題ではないともいえるわけです。
また、当たり前のことなのですが、発電施設は洋上に建設したとしても、生み出した電気は海の上で消費されるわけではありません。
利用されるのはあくまで陸上なのですから、陸まで運ばなければならないのです。
電気を運ぶとは要するに送電網であり、陸上であれば相当な僻地であってもそれなりに送電網が整備されていることが期待できますが、洋上では一切そのようなことはありません。
つまりゼロから新しく電線を敷設しなければならないということで、それだけコストもかかります。

海の上の建築物は劣化が早い

海の上の建築物は劣化が早いことも十分に想定されます。
鉄はさびやすいですが、塩水が触れているとそれが早まるのは誰でも知っています。
洋上の発電所は、鉄骨であれコンクリート部分であれ、陸上よりも苛酷な環境にあってそれだけ劣化しやすいと予想されますし、メンテナンスの費用もかさみます。
メンテナンスに必要な資材を届けるとか、人員を派遣するといったことに関しても、陸地と海とではコストが異なるのは明らかでしょう。
このようなデメリットがあってもなお、洋上風力発電が検討されるのはそれだけ利点があるからと考えられます。
その最大のものは先にも述べたとおり純粋に風の強さであり、これは何にも代えがたいです。
陸上に風車を設置することは、多少なりとも人家に近い場所であれば騒音問題にもなります。
巨大な風車が回るのですから、ある程度の騒音が発生することは仕方がなく、これが付近に住む人にとっては許容範囲を超えるかもしれません。
ですが洋上であればそもそも付近に人家などない場所に設置できるのですから、デメリットを回避できるわけです。

まとめ

送電網についても似たようなことがいえ、確かに新しく敷設しなければならないかもしれませんが、発電所から都心部などへの距離そのものは洋上からの方が近く、それだけ送電ロスが少ないこともあり得ます。

最終更新日 2025年7月9日