⒈破魔弓の由来
破魔弓には魔を破る弓という意味があり、お正月飾りとしてよく知られています。
お正月の縁起物である破魔矢とセットにして飾る場合も多くあります。
弓と矢は、昔から邪気を祓ってくれるものと考えられていました。
強さを誇る武将の象徴でもあり、鎌倉時代になって男の子が誕生した家のお正月に贈られることが広まったと言われています。
なぜお正月に飾られるようになったのかというと、この時期は暦の上で鬼門にあたるからです。
鬼門とは北東の方位を表すもので、鬼が出入りする忌まわしい方角とされていました。
つまり縁起が良くないので、弓と矢を飾ることで邪を祓おうというわけです。
それにより赤ちゃんが健やかに成長することを願うようになりました。
宮中でも皇太子が誕生した際には、弓の弦を引いて音を立てる鳴弦の儀と呼ばれる儀式が行われます。
江戸時代には、藁や縄で作った輪を転がして弓で射貫く遊びがお正月に流行しています。
その後、初詣で神社が授与するようになったためお正月の縁起物として広く普及するようになったのです。
現在でも幸運を射止めるための縁起物として知られています。
それから新しく住居を新築した際などに棟上げ式でも、屋上に飾る縁起物として用いられます。
お正月の時と同じように鬼門の方角に向けて弓矢を立てておきます。
⒉破魔弓を選ぶポイント
男の子が誕生した家に破魔弓を贈りたいと考えることもあると思います。
では実際に商品を選ぶ際には、どのようなポイントに気を付けて選べばいいのでしょうか。
大きなサイズのものもありますし、コンパクトなサイズもあります。
また、使用されている材質も様々で、値段も商品によって大きく異なります。
破魔弓に使用されている素材には大きく分けて、プラスチック製のものと木製のものがあります。
プラスチック製の方が価格は非常にリーズナブルなので、比較的手軽に購入することができます。
それに対して木製のものは、価格はどうしても高価になってしまいます。
プラスチック製に比べて重厚感があり、天然の素材ならではの風合いがあります。
遠目から見ても美しく、高級感や落ち着きが感じられます。
プラスチックは独特の光沢が出てしまうので、人によっては安っぽく感じてしまうこともあります。
赤ちゃんの一生に一度の縁起物なので、贈り物にする場合には木製の素材を選ぶ方がいいかもしれません。
予算を重視したいという時には、プラスチック製の方が重宝します。
⒊籐製の弦巻は天然の素材ならではの趣きがある
また、弓に巻いてある弦巻の素材にも籐や錦、ビニールといった素材があります。
弦巻は弓に巻き付けて装飾するものですが、弦巻の中でも籐が一番質が良いと言われています。
一番安価なのはビニールで、プラスチック製のものに使われていることが多いようです。
ぱっと見ただけではよく分からないかもしれませんが、籐製の弦巻は天然の素材ならではの趣きがあります。
落ち着いた色味が特徴で、ビニールに比べると品が良く上質です。
ビニール製だと安っぽく感じてしまうこともあるかもしれません。
それから破魔弓とセットになっている破魔矢の素材にも、色々な種類があります。
破魔矢には矢羽と呼ばれる羽が付いており、染め羽根・天然羽根・人工羽があります。
人工羽根は主にプラスチック製で、価格は非常に安価です。
染め羽根は水鳥の羽を染色したもので、価格は天然羽根に比べると安価となっています。
染め羽根や人工羽根の場合には、不自然な光沢が出てしまうこともあります。
矢羽の中では天然羽根が最も高級で、金鶏鳥・銀鶏鳥・キジ・ガチョウ・フクロウなどの羽根が使われています。
羽根の長さやカットの仕方などにも違いがあります。
⒋飾るスペースを実際に確認しておくこと
そして、破魔矢と破魔弓を飾る台やケースの素材も色々です。
弓と矢を支えるための飾り棚が付いていることが多いのですが、装飾があまりないシンプルなものから細かい装飾が施されているものまで色々揃っています。
黒を基調としたシックなものもありますし、彫金が施された豪華なものもあります。
ナチュラルで明るい風合いの木材をしていたり、現代風のモダンなデザインのものなど様々です。
飾る家の雰囲気に合う物を選ぶことが大切になります。
破魔弓を選ぶ際には、飾るスペースを実際に確認しておくようにしましょう。
現代は住環境の変化などもあり、マンション住まいやアパート住まいという家庭も多くあります。
一戸建てに比べると居住スペースが狭いので、あまり大きな物を購入すると場所をとってしまいます。
収納しておくスペースも確保しなければなりません。
最近ではマンションなどの住環境に合わせたコンパクトなサイズが人気です。
弓と矢のバランスによっても見た目が変わってきますし、造形美などもそれぞれの商品によって特徴が異なります。
木製のものは木の加工が多いので、加工技術が優れていることも重要です。
曲線美が滑らかだったり、お洒落な細工が施されているなど匠の技術が用いられています。
細かい部分までチェックするのがおすすめです。
最終更新日 2025年7月9日